2004年1月 8日
GMO、無料日記サービスを譲り受け2月からBlogサービスを開始
GMO、無料日記サービスを譲り受け2月からBlogサービスを開始
2月開始するBlogサービスは、独自ドメインのBlogが運営できるホスティング型サービス。詳細は明らかにされていないが、トラックバックやコメントなどの基本機能に加え、いずれはメール更新機能などヤプース!で提供されていた機能も利用できるようになる見込み。独自ドメイン取得は有料だが、Blog自体の利用料は無料を予定しているという。
既存の日記ユーザにはblogへの移行を促すということなので、ヤプースというブランドと10万人という会員を買った、という感じになるでしょうか。それにしても10万人ですよ、10万人。いくらで譲り受けるのか分かりませんが、良い買い物になったのではないでしょうか。一からblogを作るにしろ、これだけ競合するaspが増えると会員を集めるのは大変で、そこを一気にすっとばせるんですから。
この度GMOグループはこの部分に着目し、お客様にBlogを提供することでインターネット本来の楽しみであるコミュニティー活動の普及に寄与するべくこの度の取り組みとなりました。尚、日記無料レンタルサイトの「ヤプース!」のサイトを譲り受け、運営を引き継ぎます。
ヤプースはずっとテスト運営の位置付けで個人運営のような感じでしたから、これまでヤプースを運営されてた方もきっとハッピーなはず。実はぼくもblogを始める前は携帯電話から更新できるということでヤプースを使っていた時期もあったんですが、いかせん不安定だったんです(でも良いサービスでした)。これでサービスも安定することでしょう。
それにしてもこのニュースを知って思い出したのは、楽天の田中さんが書かれているビジネスモデルがあるときには、遅いという記事。
田中さんのある質問に対してネオテニーの伊藤氏が「ビジネスモデルがあるときには、大資本が入ってくるから遅い」というコメントをされ、それを元に書かれた記事なんですが、次のような分析が書かれています。
【1】まず、ビジネスモデルではなく、まずは、世の中に「価値」が生まれる
【2】インターネットの特性により、(たとえば、ボランティアが無数にいるのかも知れなし、ヴァイラルに集客するのかもしれない)「価値」がどんどん増大していく
【3】大概、こうやって価値がかなり大きくなってくると、お金に変換できるロジック=ビジネスモデルが発見され始める
【4】(3)の時点で参入した場合は、他の多数の参加者と同時に参入するため、非常にコンペティティブである
【5】つまり、(3)が発見される前の(2)で状態で、(3)を生み出せるかを賭けて、価値の提供側にまわれるかどうか、が多くの競争相手を出し抜くチャンスで、賭けないことには、(3)で参入しても美味しくないことになるだけ
【結論】
インターネットの、1)誰でも、(2)無料(=かなりの低コスト)で参入可能、(3)価値の存在は、自動的に無料で伝染していく、という因子が、【1】と【2】の状態をつくりやすい、というのが、インターネット特有(?)の状況でおきやすい。
よって、ビジネスモデル不在でも、最終的な「価値」の大きさが理解できた時点で、参入しなければ、【3】で果実を得ることはできない場合も多い
今回のケースもこれにあてはまります。GMOがどういうビジネスモデルを描いているかは分かりませんが、少なくともヤプースblogでオリジナルドメインを使う場合には有料になるわけですから、お名前.comとの相乗効果は一つ望めるはず。
しかし「発見される前」に価値を生み出したSix Apartが、やはり最もうまくいっているのかな。そして、そこにいち早く投資したネオテニー。2004年blog戦国時代はどの戦国武将が勝ち抜いていくのでしょうか。さらに混沌として参りました。