2004年11月19日
Webマーケティングの近未来 第14回~欧米での企業ブログの現状(その7)
Webマーケティングの近未来 第14回~欧米での企業ブログの現状(その7)
いずれにせよ、ジャーナリストをプロとアマチュアの2つの層として定義して、それぞれへのアプローチを考えるという戦略が、これから確立していくのだと思います。そして、後者もメディアとして、大きな影響力があるという前提でメディア戦略を考えなければなりません。
昨夜、Webマーケティングの近未来シリーズを執筆されている織田さんとお食事する機会に恵まれました。他にもブロガーにお会いしたのですが、みなさんブログから受ける印象とご本人は随分と違いました。ブログの面白さを改めて感じた夜です。
さて、この記事では「PR担当としてブロガーと対応するにはどうすべきか」ということがインタビューされています。検索エンジンで上位表示されたり、口コミで情報が伝播していくことを考えると、既に無視することのできないツールであり「私はブログを全然読まないし、なぜブログが重要なのかわからない」とったことは言っていられない時代に既に突入していると思います。だとすれば、ブログが分かるPR担当も拡充すべきでしょう。
ブロガーへの対応が以下のように。
1)他の行動を起こす前に、まずはブログ界で何を言われているかをよく聞く。PubSub、Technorati、Feedsterは優れたツールです。それらを使って、自社のことについてブログ界で何か語られているか、誰が影響力を持っているか、誰と誰がリンクされているか、を調べます。
2)次は、その中の影響力のあるブロガーたちへ連絡を取ります。あるいはコメントをブログに書きます。このブロガー達と知り合いになりましょう。彼らはジャーナリストではありません。決して、彼らを影響力を使うための手段として扱わないことです。この人たちのことを本当にひとりの人間として気にかけるべきだと思います。プレスリリースなどは送らないこと。必要だと思えば、CEOと直接話をさせるなど、企業の語り口ではなく、個人としてつながれる方法を考えましょう。
3)最後のステップは、このブロガーとの関係を確立した上で、ブログをスタートします。ただし、企業の看板をかぶったブログではなく、社員によるブログです。ここでも、企業の語り口はブロガーに対して通じません。個人が通じるのです。
(1)に関して言えば、日本であれば、
FeedBack - Yet Another RSS Search
Bulkfeeds: Home - RSS Directory & Search
などを利用することができるでしょう。
(2)については、まだ目に見える形では事例は多くありませんが、密かに動いているのではないかと推測されます。実際に、ぼくの個人ブログにもアプローチがありました。それは、新製品を送るので感想を聞かせて欲しい、というメールでした。ブログで書く必要は特にないし、いろいろなネタを扱っている観点から感想を聞かせて欲しい、という主旨でした。もちろん面白ければネタとして取り上げさせて頂く可能性はありますから、実際に影響力のある(信頼感がある or アクセス数がある)複数のブログに掲載されれば、プロモーション効果が期待できるのではないかと思います。
実際のところ、アメリカでの状況がまだまだのようですので、日本でブロガーを巻き込んだPR手法が使われ始めるのは早くても来年早々、遅くても春には始まるのではないかと思います。
ただし、いかにも宣伝的であったり、無差別に商品を送りつけたりすれば、あっという間に悪い立場に立たされてしまうのは言うまでもないでしょう。そういう意味でも、フログの分かるPR担当の重要性は非常に高いと思います。