2005年1月12日
ブロガーが口コミの鍵になる
Webマーケティングの近未来 第21回~欧米での企業ブログのケーススタディ(その3)
純粋には企業ブログではないが、Nokiaが2003年春にブロガーと共同で実施した携帯電話キャンペーンのケーススタディをしてみたいと思う。日本でブロガーの数が爆発的に増えている今の状況と似通った状況ではないかと思われ、参考になるかと考えた。
2003年春。ちょうど、eNatural.orgが立ち上がった時期と同じです。そろそろ2年前になろうかという頃に、ブロガーにコンタクトをとったキャンペーンがあったなんて驚きです。
優れた機能を持つ携帯電話端末Nokia 3650ではあるけれど、「時間やスペースの限られているTVのスポットやバナー広告など詳しく説明できない」、さらに「多くの機能があるがゆえに、個々の機能はあまり優れたものではないという印象も持たれがちである」ということから、口コミを起こす手段としてブロガーへのコンタクトが検討されたそうです。
最初にブロガーに依頼したのは、Nokia 3650を使って写真を撮って、それを掲載してもらうことだった。テクノロジーにより過ぎず、写真の使い方の斬新なブログを選び、地域やブロガーの属性やバックグラウンドを意識して、最終的に10人に絞り込んだ。そして、Nokia 3650と2カ月の携帯電話サービスを提供し、ブロガーはそのサービスを使って写真を撮る、という依頼内容だった。
この依頼に応じたブロガーは8人。うち5人がNokia 3650で撮影した写真をブログに掲載し体験談を執筆。その内2人がフォトログを作ったそうです。
ほとんどのブログでは、製品やサービスに対する前向きなエントリーが書かれ、中には「ポケットに入るコンピューターみたいなもの」というものもあった。
昨年末に、ぼく自身が同様の体験したことをエントリーしました。
▼[eN] ブログをマーケティングに利用する事例 ~SUNTACの場合
「ブロガーには、Nokia 3650について書くようにとの依頼はわざとしていない」というのはSUNTACの時も同様で、その辺のさじ加減というか、コンタクトの取り方は確かに難しい部分はあるのではないかと思います。
Nokiaのキャンペーンの際にも「地域やブロガーの属性やバックグラウンドを意識して」ブロガーが選ばれたそうですが、少なくともガジェット系であったりレビュー系であったり書籍系であったりと、ある程度キワだって見えるブログというのはどこかが尖っていると思われますので、そうしたバックグラウンドを意識しつつコンタクトを取ると良いのではないでしょうか。書くことが好きな人たちですから、嫌な顔をされる、ということは少ないのではないかと推測されます。
弊社でもバナーやテキストのブログ広告を実施していますが、今後はブログで口コミを起こすコンサルティングのようなものも登場するのかもしれません。しかし気をつけるべきは、
PRブログのインフルエンサーとして知られるSteve Rubel氏も、ブロガーを一個人として対応していくことが結果的に成功につながるとしている。ブロガーはPRや広告担当者の思い通りにならない、ということを前提にキャンペーンを組み立てることが、逆に成功につながるといういい例ではないだろうか。
このようなことですね。戦略的だと、かえってあざとく見られてしまう可能性はあるでしょう。
しかし、
中でも重要なことは、何百万人への露出があったバナーキャンペーンがありながら、これらのブログのいくつかがNokiaのマイクロサイトへのトラフィックのトップ15に入っていたことである。広告に比べて、ブロガーの読者への影響力を感じさせるものであった。このキャンペーンの成功を受け、Nokiaではその後、他にもブログを使ったキャンペーンを行っているという。
この影響力は誰しもが感心し、関心を寄せるのではないでしょうか。
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