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2005年3月 3日

最悪のブログキャンペーン事例を検証する

Webマーケティングの近未来 第26回~欧米での企業ブログのケーススタディ(その6)

ただ、口コミはいいことも悪いことも同様に、いや、正確には悪いことほど広がりやすい性格を持っている。アメリカやヨーロッパでも、ブログキャンペーンの失敗は数多く見られる。今回は、アメリカのブロガーの間でいつも最悪のブログキャンペーンとして取り上げられる「Raging Cow」のブログキャンペーンの話をしてみたい。アメリカでまだ多くの企業が企業ブログを始めることに不安がある理由の一つがこの事件にある。

お馴染み織田さんの「Webマーケティングの近未来」からです。安い経費、検索エンジンで上位に表示されやすい、などのメリットばかりに注目が集まりがちですが、確かに一方では使い方を間違えればブログでは悪い噂が伝播していくスピードが速いのもまた事実。先日、あるアイドルがテレビで失言した時にも、ブログを情報が駆けめぐっていったことからも分かります。

あるミルク飲料のキャンペーン失敗例が紹介されています。

ブログキャンペーンでは、この牛のキャラクターを中心にしたブログを開設するとともに、影響力のあるティーンブロガー6人を本社に招待し、製品やプロモーショングッズなどが進呈されたという。そして、彼らのブログでこのRaging Cowのことを書くように依頼し、さらに彼らはRaging Cowとは全く関係がないことにするようにと言い渡されたのである。

やらせですね、これは。

「不自然さが、ブログの商業的な使用を嫌うブログ純粋主義者とでも呼べる人たちにより指摘」され「やり方を批判するコメントやトラックバックを大量」に送られたそうです。これもまた当然の成り行きですね。最後はコメントもトラックバックも受付が停止されたそうですが、

それが火種となり、今度はRaging Cowブログが、ブログとしていかにひどいデザインと内容であるかということが話題になったり、始めはサイトの著作者が誰だか分からなかったのが急にDr. Pepper/7upが著作者として出てきた、ということに発展してきた。

どんどん問題は大きくなっていったそうです。

そして同時に、あるSEOマーケティング関係者が自らのブログで、Raging Cowの不買運動を始めた。Raging Cow不買バナーとコードを公開し、他のブロガーにブログに貼り付けるように呼びかけ、その不買運動の進展の様子をブログで追いかけた。バナーが張られる数にしたがって、このサイトは検索エンジンで上位に上がり、最終的には「Raging Cow」を検索すると2位になるまでになった。

まさに「やってはいけない」をやってしまった事例ですね。ブログのことはとりあえずブロガーに聞け、と思うのですが、誰もブロガーに意見は聞かなかったのでしょうか。口コミの良い側面だけを見ていたのでしょうか。「隠し事をせず、消費者と同じ目線で真摯に対応する態度」が求められます。

Posted by enatural at 2005年3月 3日 11:32